【ヘルプマーク】むかつくとか言うやつちょっと来い【当事者が語る】
見た目からは分からない、難病患者や障害者が身に着けているヘルプマークについてですが、「むかつく」と思ってしまう人も多いようです。
そういう人は、ちょっとこの記事を読んでください。
はじめに
常にヘルプマークを身に着けています、作業療法士のコージです!
私には複数の難病や持病がありますが、見た目からは絶対に分からないと思います。
そして先日、このようなツイートをしました↓
横柄な態度をとったりするのはダメだと思いますが #障害者 ぶって何が悪いんですかね。
普通の体じゃないわけですし、健常者と同じようにできないから「障害」なんですよ。
私は #難病 だけで障害者手帳は持っていませんが、病気だと思われたいので #ヘルプマーク を身に付けています👍 https://t.co/vCPeXOJPRH
— コージ@難病系作業療法士フリーランス (@koji_ot) February 7, 2020
横柄な態度をとったりするのはダメだと思いますが #障害者 ぶって何が悪いんですかね。
普通の体じゃないわけですし、健常者と同じようにできないから「障害」なんですよ。
上記のツイートは、わりと反響が大きかったのですが、むかつきますか?
この記事に、挑発的なタイトルをつけてしまいましたが、むかついた方もそうでない方も、ぜひ最後までお付き合いください。
ヘルプマークはなぜむかつくのか?
ヘルプマークについて、むかつくと思ってしまう理由については
「よく知らないから」
だと思うんですよ。
人はよく知らないモノに対して、恐怖を感じたり、イライラしてしまったり、マイナスな感情を抱きやすいです。
むかつくのはほとんどが健常者
そして、ヘルプマークを身に着けている人を、むかつくと思うような人はほとんどが健常者の方だと思います。
なかには、同じように障害者の方であっても
「わざわざ病気のアピールをするな!」
とむかつく人もいるかもしれませんが、これは医療職の私の経験からも、少数派なはずです。
というワケで、ヘルプマークにむかつく人は、健常者であることを想定して話を進めていきます。
知識がないと悪いイメージを抱きやすい
話は戻りますが、ヘルプマークがむかつく原因として主に考えられるのは、障害や病気についての知識が乏しいことです。
私は精神分野が専門なので、精神科の患者さんを例にして考えてみたいと思います。
最近では、発達障害やパニック障害の方など、外出時に支障をきたす精神疾患を抱えている方も、ヘルプマークを身に着けていることも多いです。
あなたは、精神障害者について、どのようなイメージを持っていますか?
言葉を選ばずに、正直に書いてしまうと
・気持ち悪い
・頭がおかしい人
このようなところでしょうか。
実をいうと、精神障害者へのイメージについては、私が学生の時に書いた卒論の内容です。
作業療法士の私ですが、大学4年生のときに提出した論文は
「高校生が抱く精神障害者へのイメージ」
というものでした。
数百人の高校生から、実際にアンケートをとった結果、上記のような悪いイメージが最も多かったです。
本題とは関係ないので、詳しい説明は省きますが、悪いイメージを抱いてしまう理由としては、知識がないことが原因だと考察されました。
この事実については、ヘルプマークにも、そっくりそのまま当てはまります。
家族や身近な人に、障害を抱えている人がいるならまだしも、普通に生活をしていれば障害者と関わることはほとんどありません。
普通の健常者からすれば、ヘルプマークを着けている障害者や難病患者は得体の知れない人たちであり、悪いイメージを抱きやすいのです。
知識があれば好意的なイメージに変わる
では、知識があればヘルプマークは良いイメージに変わるのかということになりますが、その答えは間違いなくYesです。
先ほど、私が書いた卒論について紹介をしましたが、そのとき引用をした論文に答えが書かれています。
この論文は、1~4年生の看護学生を対象に、精神障害者へのイメージはどう変わっていくのかが研究されていましたが…
その結果は、学年が上がるごとに、悪いイメージから好意的なイメージに変わっていくというものでした。
知識が乏しく、臨床実習の経験もない1年生では悪いイメージを持つ学生が大部分を占めていましたが、実習の経験がある2年生からは、劇的に好意的なイメージへと変わっていきます。
そして4年生になると、精神障害者に対する悪いイメージと好意的なイメージの割合が、ついに逆転をしていました。
ということは、ヘルプマークにむかついてしまう人は、医療・福祉の従事者とは関係のない人がほとんどだということになります。
むかつく一部の障害者が目立ってしまう
散々に、偉そうなことを書いてきましたが
「じゃあ、知識があるとかいうお前は、障害者にまったくむかついたりしないのか」
と疑問に思われる方も、いるかもしれません。
実は知識があってもむかつきます
その答えは、正直にいうとNoであり、作業療法士の私も普通に障害者や患者さんにむかつくことはあります。
医療従事者としての立場上、態度に出すことはありませんが、わりと少なくないのも事実です。
確かに、障害者であることを理由に偉そうな態度をとったり、優遇しろと言わんばかりの人もいたりしますよね。
私は見たことがありませんが、ヘルプマークを身に着けている人のなかには、とんでもない人もいるかもしれません。
でもこれって、健常者でもまったく同じなんですよね。
あなたが学生であれば自分の学校、社会人であれば会社などに、むかつく人って普通にいたりしますよね?
そんな人は、絶対に一人もいないという方については、ほぼ間違いなく存在しないはずです。
誰だって、身近な場所に一人や二人、むかつく人はいると思います。
それが、障害者というレッテルを貼られてしまうことにより、悪い意味で目立ってしまい、記憶に残りやすくなってしまうんです。
ヘルプマークにむかつくあなたは、もしかしたら、一部の障害者に嫌な思いをさせられた経験があるのかもしれません。
障害者の方は皆さん真面目です
特に精神障害者については、「甘えている」と誤解している人も多いです。
私は精神科が専門ですが、患者様方は皆さん真面目です。#精神病 は甘えだと言われますが、むしろ真面目だからこそ病気になります。
確かに一部には態度が悪かったり、不真面目な人もいますが、それは健常者でも同じですし #障害者 だからとか関係ありません。
障害者はサボってませんよ✊
— コージ@難病系作業療法士フリーランス (@koji_ot) February 7, 2020
しかし、このツイートの通りで、精神疾患についてはむしろ真面目だからこそ発症しやすいことが分かっています。
また、なかでもうつ病は有名な病気ですが、生涯の有病率はなんと30%です。
つまり、3人に1人は一生のうちに一度はうつ病を発症するということになります。
ヘルプマークにむかつくあなたも、もしかしたら将来うつ病になってしまうかもしれませんよ。
うつ病だけではなく、交通事故などにあったり、自らが障害者になってしまってもおかしくはありません。
もしもの話ですが、自分もそうなってしまったら、その時にあなたは、はたしてヘルプマークにむかついているでしょうか。
私はヘルプマークを常に身に着け続けます
ヘルプマークを身に着けることは、「病気アピール」だと言われますが、それでも私は常に身に着け続けます。
6つの診療科で治療を行いながら、毎日のように体の痛みや強力な薬の副作用に耐えながら生活をしていますが、見た目からは絶対に分かりません。
一部の人からムカつかれても、体のしんどさの方が深刻なので、病気アピールをやめるつもりはないです。
ヘルプマークを着けることで、その他の理解のある方々に伝わればいいと思っています。
ちなみに、私は山形に住んでいますが、席を譲ってもらったり何か配慮をしてもらったことは一度もありません。#ヘルプマーク の知名度が低いのも問題ですし、私は一人の #難病 を持つ医療従事者として、自ら率先して身に付け続けるだけです。
他人からどう思われようが、気にしません。
— コージ@難病系作業療法士フリーランス (@koji_ot) February 7, 2020
実をいうと、私が住んでいる地域ではヘルプマークの知名度が低いこともあり、声をかけてもらったり、何か配慮をしてもらった経験はありませんが、これからも続けます。
一部の人にむかつかれても、その他の方々に伝わればOKです。
終わりに
極端な話ですが、ヘルプマークにむかつくのはその人の勝手だと思います。
ですが、身に着けている人を見つけたときに
「頭がおかしい人」
「気持ち悪い」
などと暴言を吐くのは、人としてどうなんでしょうね。
わざわざ、暴言を吐くぐらいなら、そっとその場から離れることをおすすめします。
その方が、余計にイライラしなくても済むのではないでしょうか。
YouTubeの動画でも、ヘルプマークについて解説をしております。
よろしければ、こちらも合わせてご覧ください。
最後まで読んで頂きありがとうございました!
難病の私ですが、現在はフリーランスとして在宅で仕事をしています。
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