精神科作業療法士が目撃したY病院で行われていた虐待行為
はじめに
こんにちは!6つの診療科に通う男、作業療法士のコージです!
あるニュースを見て看護師に毎日怒鳴られていた統合失調症のKさんという記事を書いたばかりなのですが…
またしてもとんでもないニュースが飛び込んできました。
おむつにクワガタ、女性下着で悪ふざけ…虐待か
長崎県島原市礫石原町の障害者支援施設「島原療護センター」で、施設の職員が女性入所者の下着で悪ふざけをするなどの虐待行為があったとして、県が障害者総合支援法に基づき、施設を運営する社会福祉法人「幸生会」(長崎県諫早市)を指導していたことが分かった。同施設では過去にも、入所者への虐待で職員が逮捕されるなどしていた。
県や同法人によると、県は2018年11月、情報提供を受けて施設の立ち入り調査を実施。複数の男性職員が複数回、女性入所者の下着を使って悪ふざけをしたことを虐待と認定した。同12月に文書で指導した。
また、男性入所者が18年9月15日、下腹部にけがを負った事案があり、県は職員がクワガタムシをおむつに入れた可能性が高いとみて「虐待が疑われる」と指摘。男性の担当職員2人は、法人側の聞き取り調査に虐待を否定したという。
引用:読売オンライン
Mさん
Mさんについて
私が担当していた開放病棟に、妄想からくる暴言や職員に対する暴力行為が頻繁に見られる統合失調症のMさんという方がいました。Mさんは精神遅滞や身体障害も合併している中年の男性の方でした。
問題児扱いされており、抑制帯を着用させられ、一日中車イスに拘束されていました。
私がY病院に入職し、開放病棟の担当になったばかりの頃はMさんに対して正直少し怖いなという印象を持っていました。
しかし、Mさんと関わっていくうちにMさんが問題児扱いされていることに対して疑問を抱くようになっていきました。
なぜなら、Mさんの妄想や暴言、暴力行為を助長していたのはほかでもなく、Y病院の職員だったからです。
歩行訓練という名の虐待
Y病院では午前と午後の作業療法やレクリエーションが終わると、一部の患者様に対して身体のリハビリテーションも行っていました。
私がリハビリに向かおうとすると、開放病棟から「助けてくれー!助けてくれー!」と叫び声が聞こえてきました。
これは只事ではないと感じ、走って声のする方へ向かうと、病棟の廊下にてMさんが車イスから転げ落ちていました。
そんなMさんをY病院の職員達がズラッと囲み、指をさしてゲラゲラと笑っているのです。
指をさしてゲラゲラと片言の日本語で笑っている中国人の看護助手さん達や看護師、なんとその中には看護師長もいました。
(Y病院の看護助手さんの半数以上は中国人です→ついにブラック病院に入職!)
その異様な光景に私は唖然としてしまいました。
私が呆然と立ち尽くしていると、Mさんの歩行訓練を行っていた作業療法士と看護師がMさんを立たせようとしていました。
しかし、Mさんは「嫌だ!やめてくれー!」と激しく手足をジタバタさせながら抵抗していました。
すると、作業療法士と看護師が「じゃあそこで寝てろよ」と馬鹿にしたように笑いながら言い、床に突き飛ばしたのです。
その光景を見てY病院の職員はMさんを指差して大爆笑しています。
床に転がっているMさんは再び「助けてくれー!助けてくれー!」と何度も叫んでいました。
また作業療法士と看護師がMさんを立たせるフリをし、床に突き飛ばしました。
それを何度も繰り返しているのです。
何が楽しいのでしょうか?
「Mサンガンバテ!リハビリリハビリ!」と手を叩きながら片言の日本語で爆笑している中国人の看護助手、「Mさんちゃんとリハビリしなきゃ今日の夕食抜きね!」と言いながら笑っている看護師長…
Mさんが床に突き飛ばされる度に歓声があがります。
え?何これ?リハビリと称していじめてるだけじゃん。
これをきっかけに私は病棟で行われている患者様への虐待行為をメモすることにしました。
Mさんの妄想?
Mさんのカルテには、妄想からくる暴言や職員に対する暴力行為が頻繁にみられる為、車イスに拘束するといった旨が記載されていました。
はたして本当に全て妄想なのでしょうか?
MさんはY病院の職員に対して怯えていただけなのではないでしょうか?
毎日車イスに縛り付けられ、毎日職員から突き飛ばされていたら自分の身を守ろうとするのは当然なのではないでしょうか?
自分の身を守ろうとする結果、職員に対しての暴言や暴力行為に繋がるのではないでしょうか?
Mさんは職員に対して怯えており、それが暴力行為に繋がっていると考えた私はMさんに対して丁寧に説明するといったことを心掛けました。
リハビリを行う時だけではなく、車イスを移動させる時やちょっとしたことでも「何のために何をどうするのか」といったことをMさんの不安を解消できるように何度も何度も説明するようにしました。
その結果私は一度もMさんから暴力行為を受けたことはありません。
私の対応は完璧ではないですし、絶対に正しいとは思いません。
しかし、私が一度もMさんから暴力行為を受けたことがないのは事実です。
やはりMさんはY病院の職員に対して怯えていたと考えるのが当然だと思います。
告発
事務長へ
私はMさんに対し、歩行訓練という名の虐待行為を目撃してから毎日職員の虐待行為をメモしていました。目撃した日付、時間、どこで誰が誰に対してどういった事を行っていたのかを詳細に書いていました。
ある程度誰がどういったことを行っているかを把握し、ノートにまとめました。
そして事務長に「どうしてもお話したいことがある」とお願いし、面談することになりました。
私は事務長にノートを渡し、病棟で患者様への虐待行為が行われていることを告発しました。
そのノートを眺め「ふーん、院長に報告しておく」と事務長はめんどくさそうに言いました。
私はノートを見せながら必死に事務長へと訴えました。しかし、事務長はめんどくさそうに「ふーん」と言うのみです。
実は事務長は病棟で行われている虐待行為について知っていました。事務長だけではなく院長も知っていました。
知っていて黙認していたのです。
退職時に院長へY病院の虐待行為について尋ねると、「点数とって病院に金さえ入れてくれたら何したっていいいんだよ!」と言われたことがあります。
看護師長の怒鳴りこみ
面談の翌日、作業療法士のスタッフルームが突然、バン!と物凄い音がして開きました。
開放病棟の看護師長が鬼のような形相で乗り込んできたのです。
そして私の前にきて一言「チクってんじゃねーよ!」と怒鳴り散らして再び物凄い音でスタッフルームから出て行ってしまいました。
いい年した中年の女性がチクってんじゃねーよって…しかもこの人は看護師長です。
事務長への告発後もY病院の虐待行為が改善することはありませんでした。
終わりに
やはりこのような虐待行為は中々表に出てこないだけなのではないでしょうか。
もっと多くの病院や施設でこうした行為が横行しているのではないでしょうか。
やはり私は無力です。
どうすることもできなかった以上、Y病院で行われていた虐待行為について見て見ぬふりをしたも同然です。
無力な私ですが、こうして声を挙げていくことで何かを変えられるのではないかと信じています。
最後まで読んで頂きありがとうございました!