ブラック病院で行われていたありえないOT活動~塗り絵編~
はじめに
こんにちは!6つの診療科に通う男、作業療法士のコージです!
私がいたブラック精神科病院Yでは、作業療法とは名ばかりのありえないOT活動が日々行われていました。
この病院ではOT活動に参加すらしていない患者様からも算定をとっています。
そんなY病院で行われていた「ありえないOT活動」塗り絵編を紹介したいと思います。
前回の記事はコチラ→ブラック病院で行われていたありえないOT活動
塗り絵
毎日毎日
ブラック精神科Y病院では、日々塗り絵が行われていました。
患者さんの能力や年齢などにも関わらず、全員が毎日塗り絵です。
はい毎日です。
うんざりするぐらい毎日です。
OT活動では塗り絵以外の選択肢はありません。
しかもこの塗り絵、インターネットから適当にダウンロードしてきた画像をプリンターで印刷しただけのものです。
種類もほとんどありません。
これを毎日毎日患者さんに渡し、強制的に塗り絵をさせるのです。
これを拒否しようものなら、看護師や看護助手さん達から「おやつ抜き」などの嫌がらせをされます。
手を休めていると、看護師や看護助手さん達から怒号が飛んできます。
色がはみ出していたり、綺麗に塗られていないと怒鳴り散らされるのです。手が飛んできたり、小突かれることさえあるのです。
ラーメンの塗り絵
ラーメンの塗り絵をいつもカラフルな色で染めている患者さんがいました。
この患者さんはいつも看護師や看護助手さん達から怒鳴られていました。
この患者さんはこの塗り絵がラーメンだと認識しているのでしょうか?
ラーメンだと認識していないのに、ちゃんとやれと罵声を浴びせて何になるのでしょうか?
この患者さんに、これは何の絵か分かりますか?と尋ねると「分からない」と返ってきます。
そこで、これはラーメンの絵ですよ、ラーメンの麺は何色ですか?と尋ねると「黄色」と答えます。
するとラーメンに合った色を使用して塗り始めるのです。
ワケも分からず毎日怒鳴られ続ける、あまりにも苦痛なのではないでしょうか。
点数制
更に驚くべきことに、この塗り絵はなんと点数制です。
毎日患者さんの出席をとります。ここまでは普通のことですが…ここから更に点数がつけられます。
・できている
・まぁまぁできている
・できていない
の三種類の評価になっていました。
点数が低い患者さんは行事やレクリエーションに参加をすることができなくなるのです。
なぜかこの点数をつけるのは、看護師や看護助手さん達です。
バインダーを片手にウロウロと歩き回り、患者さん達を監視します。
患者さんの頭をスパン!とバインダーで叩く人すらいます。
点数が低く、クリスマス会に参加することを許されなかった男性の患者さんがいました。
20代の統合失調症の方です。この患者さんは職員に対して反抗的であるため、毎日塗り絵をしていたにも関わらず点数を低くされてしまったのです。
この方はクリスマス会を本当に楽しみにしていました。
クリスマスが近づくと、「早くケーキ食べてーなー」と繰り返していました。
しかしクリスマス会当日、この患者さんは参加することを許されませんでした。
「なんでダメなんだ!? ケーキが食べてーよ!」と何度も訴えるこの患者さんに対し、看護師や看護助手は「はぁ?だってあんた塗り絵ちゃんとやらなかったでしょ?」と突き放したのです。
そしてこの患者さんは閉鎖病棟に置き去りにされたのです。
確かにこの患者さんの塗り方はいつも雑でした。しかし、行事やレクリエーションに参加したいがために我慢をして塗り絵を行っていたのではないでしょうか。
結局この方は楽しみにしていたケーキを食べることはできませんでした。
精神科作業療法
遊んでいるだけ?
精神科の作業療法は「遊んでいるだけ」とよく誤解されてしまいます。
そのため、私がいたブラック精神科病院Yでは無資格の看護助手さんよりも作業療法士の立場が下でした。
もちろん医療はチームアプローチですし、誰が上で下でなどと言うつもりはありません。
私は遊ぶことも大事だと考えていますし、塗り絵そのものを作業療法として行うことは反対しません。
しかし、Y病院で行われていた塗り絵は作業療法と呼ぶにはあまりにもありえないものでした。
終わりに
私にはこうした行為に加担させられることが耐えられませんでした。
私の作業療法士としての資格と名前を悪用され、患者様方から算定をとることに強い怒りを感じていました。
Y病院では参加すらしていない患者様からも算定をとっていたのです。
しかし、私にはどうすることもできなかったのが事実です。
特に精神科は閉鎖的な空間です。
精神科だけではなく、施設などでも患者様や利用者様に対する悪質な虐待行為が頻繁に報道されています。
一人の作業療法士として声を挙げていくことで、何かを変えることができたら…そう思っています。
最後まで読んで頂きありがとうございました!