ブラック病院で行われていたありえないOT活動
はじめに
こんにちは!6つの診療科に通う男、作業療法士のコージです!
私がいたブラック精神科病院Yでは、作業療法とは名ばかりのありえないOT活動が日々行われていました。
この病院ではOT活動に参加すらしていない患者様からも算定をとっています。
そんなY病院で行われていた「ありえないOT活動」の一部ついて紹介していきたいと思います。
作業療法?
清掃活動
Y病院では、OT活動と称して患者さん達に病院の掃除をさせていました。
一応パートの清掃員は何人かいましたが、「どこ掃除したの?」っていうレベルです。床なんかホコリだらけで本当に汚かったです。
ホコリだらけでも誰も気にする様子はありません。っていうか職員も汚かったです。白衣やユニフォームを洗濯もしないで何日も着ている人達ばかりでした。
毎日裸足にサンダルの中年男性看護師長まで存在していました。はだしのゲンなのでしょうか。
ユニフォームも汚いし、手洗いやマスクすらしない病院でした。
そんな何から何まで汚いY病院を掃除するのは、なんと患者さん達だったのです。
更に驚くことに、患者さん達にはホウキが3本とチリトリが2個しか与えられません。
何十人もの患者さん達はそのホウキとチリトリを必死で奪い合います。
本当に必死です。あまりの必死さに患者さん同士でケンカになる程でした。
なぜなら、看護師や看護助手さん達から怒鳴られるからです。
道具を手にすることができるのは、毎回限られた患者さんだけでした。
気が強い患者さんや、一部のリーダー各の患者さんのみが道具を手にすることができるのです。
道具を手にすることができなかった患者さん達は、職員の顔色を伺いながらひたすら掃除をするフリをしていました。
延々とベッドシーツのシワを伸ばし続ける人、トイレに隠れてしまう人、患者さん達は職員から怒鳴られる恐怖に怯えていました。
怒鳴られるだけならまだいい方です。小突かれたり、突き飛ばされたり、手が飛んでくることだってあるのです。
手を休めていると怒鳴られます。一生懸命掃除をしていても怒鳴られます。とにかく何をしていても怒鳴られるのです。
清掃活動という名目で職員のストレス発散の場になっていました。
患者様方から算定をとり、お金を払わせて掃除をさせる、とんでもないOT活動です。
私は清掃活動そのものには反対しません。
掃除をするといった行為は、とても大切なIADL(手段的日常生活動作)の一つです。しかし、それを理由にして職員のストレス解消の場にするのは許せません。
ラジオ体操
もう一つY病院で行われていた「ありえないOT活動」を紹介したいと思います。
私は開放病棟担当の作業療法士でしたが、Y病院には数々のとんでもない作業療法士がいました。
各病棟のOT活動は各作業療法士が自由にプログラムを決めていました。その中で特にありえなかったのが「ラジオ体操です」。
それ普通じゃん?って思った方、ここはブラックで有名な精神科Y病院です!!!
①ナースコールで放送します。「今からラジオ体操しまーす」
②ラジオ体操のCDを流します。
③CDを止めて終わりです。
…はい終わりです。これがOT活動ですよ!?作業療法ですよ!?
この間わずか5分です。
精神科作業療法では患者1人当たり、1日につき2時間を基準としています。また、一日当たりの患者数は25人を1単位として、一人の作業療法士につき一日2単位、50人まで算定をとることができると定められています。
はい5分です。
そしてラジオ体操が終わると、とんでもない作業療法士達はスタッフルームに戻りOT活動の記録を始めます。ラジオ体操しかしていないはずですが、その後は次々と患者さん達が塗り絵をしたことなっていました!
(ラジオ体操すらしていない患者さんもいるんですけどね…)
CDを流すだけで患者様方から算定をとり、お金を払わせるとんでもない作業療法です。
DVD鑑賞
Y病院の求人情報では、土日祝休みとなっています。全くのデタラメです。
詳しくは→ついにブラック病院へ入職!
そんな土日祝ですが、OT活動と称してDVD鑑賞が行われます。
DVDといっても数本しかありません。ツ〇ヤや、ゲ〇から借りてきた、たった数本のDVDを違法にコピーしたものです。
それを各病棟で使いまわし、毎回同じDVDが上映されていました。
①ナースコールで放送します。「今からDVD鑑賞しまーす」
②DVDプレーヤーにDVDをセットし、再生ボタンを押します。
③停止ボタンを押します。
…はい終わりです。これがOT活動ですよ!?作業療法ですよ!?
患者さん達は誰も観ていません。再生ボタンを押すと、とんでもない作業療法士達はスタッフルームに戻り、OT活動の記録を始めます。
お茶やコーヒーを飲み、お菓子をボリボリと食べながらパソコンのキーボードを叩きます。
「DVDを観ながら穏やかに過ごしている」はい記録終わりです。
ほとんどの患者さんが観ていないんですけどね。
毎回同じDVDを流すだけで患者様方から算定をとり、お金を払わせるなんてとんでもない作業療法です。
終わりに
精神科の作業療法は「遊んでいるだけ」だとか、誤解されることが非常に多いです。
そうした誤解が無くならないのも、日本の精神科ではこういったことが行われているからだと感じています。
精神科は特に閉鎖的な空間です。閉鎖的な空間であるため、こういった問題が表に出てこないのではないでしょうか。
少しづつ私達、作業療法士が声を挙げていかなければならないと思っています。
最後まで読んで頂きありがとうございました!