【潰瘍性大腸炎】に【強直性脊椎炎】を合併した私の症例
私は12歳で潰瘍性大腸炎と診断され、約13年後に強直性脊椎炎(腸炎関連性脊椎炎)と診断されました。
今思えば、潰瘍性大腸炎を発症した当初から症状はありましたが、強直性脊椎炎は診断に至るまで非常に時間がかかる病気です。
この二つの病気は難病であり、まだまだ解明されていないことが多いです。
私が強直性脊椎炎であると診断されるまでの経緯や、行っている治療について記します。
※私は医療従事者ではありますが、医師ではないためあくまでも個人的な見解です。
はじめに
6つの診療科に通う男、作業療法士のコージです!
数年前に潰瘍性大腸炎が再燃し、その後、強直性脊椎炎(腸炎関連性脊椎炎)と診断されました。
様々な症状や合併症が出現し、現在は6つの診療科で治療を行っています。
強直性脊椎炎とは?
膠原病や自己免疫疾患の多くは、女性に多いのが特徴ですが、強直性脊椎炎は男性に多い自己免疫疾患です。
強直性脊椎炎の原因は不明ですが、自己免疫の異常により発症するのではないかと考えられています。
女性に多く、小さい関節から発症することが多い関節リウマチとは異なり、脊椎や骨盤(仙腸関節)などの大きい関節に炎症が起こります。
症状はゆっくりと進行し、20%~30%の人に脊椎が固まって動かなくなる強直が起こります。
これを、竹様脊椎(bamboo spine)といいます。
また、踵などの靭帯の付着部炎が見られることも特徴的です。
仙腸関節痛はほぼ必発です。
↑ちょうど指で押しているところが仙腸関節です。
私も毎回整形外科の診察時に仙腸関節や踵などを押されるのですが…
ビリっと電気が走ったように痛みが生じます。
これを圧痛といいます。
眼疾患(ぶどう膜炎)や炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)を合併しやすいことも特徴的です。
私は12歳で潰瘍性大腸炎を発症し、その後強直性脊椎炎、ぶどう膜炎を合併しました。
ぶどう膜炎は失明することもあるので要注意です。
眼の炎症のため、紫外線が目にしみてしまい、痛みを感じます。
そのため外出する際にはサングラスが手放せません。
ぶどう膜炎について詳しくは↓
強直性脊椎炎の症状はかなり前からあった
強直性脊椎炎は、多くが30歳前の若年者に発症し、発症後は何年も時間をかけて徐々に進行していきます。
そのため早期診断することが非常に困難です。
強直性脊椎炎だと確定診断されるまでに要する平均期間は、約9年だと言われています。
私も強直性脊椎炎(腸炎関連性脊椎炎)であると確定診断されたのはつい最近であり、約13年かかっています。
12歳で潰瘍性大腸炎を発症しましたが、今思えば発症した当初から強直性脊椎炎の症状はありました。
小学校・中学校では体力測定があり、長座体前屈の種目があったと思います。
私の記録は14cmとか、確かそのぐらいでした。
前屈をする際、足を伸ばして体を倒すと、痛みを感じていました。
私は小学1年生から、中学3年生までサッカーに打ち込んでおり、ストレッチは日課にしていたはずです。
それでも、いくらストレッチを行っても体が柔らかくなることはありませんでした。
ストレッチを行い、体を伸ばすたびに強い痛みを感じていたのです。
強直性脊椎炎と診断されるまで
数年前に潰瘍性大腸炎が再燃し、今までにはなかった強い関節痛を感じるようになりました。
関節痛だけではなく、朝のこわばりなども出てきました。
起床時に関節を動かしにくさを感じることを、朝のこわばりといい、関節リウマチや強直性脊椎炎などの特徴的な症状です。
再燃する前は、こうした症状はありませんでした。
内科から整形外科へと紹介され、MRIやCTなどを撮ることになります。
その結果、仙腸関節の裂隙(関節のすきま)がやや狭くなっていることや、疑わしい所見が見られました。
また、診察時に仙腸関節の圧痛や、筋の付着部炎が見られたことから、強直性脊椎炎(腸炎関連性脊椎炎)と確定診断されました。
強直性脊椎炎の治療
私が行っている強直性脊椎炎の治療について以下に記します。
診断されてから第一の選択肢として、セレコックスやロキソプロフェンなどのNSAIDS(非ステロイド性抗炎症薬)を服用することになりました。
しかし、まったく効果が見られず、ロキソプロフェンは胃が痛くなってしまうため、すぐにNSAIDSの服用は中止となります。
その後、潰瘍性大腸炎の症状が悪化してきたことや、関節痛が強くなってきたことなどから、生物学的製剤による治療を行うことになりました。
私が最初に使用した生物学的製剤は、二週間に一度自己注射を行うヒュミラです。
ヒュミラを使用してから、関節痛や潰瘍性大腸炎の症状はかなり改善しましたが、徐々に効果がなくなり、約1年でヒュミラによる治療は中止されました。
生物学的製剤ヒュミラについて詳しくは↓
ヒュミラの次の選択肢として、生物学的製剤のレミケードを使用することになりました。
レミケードは自己注射によるヒュミラとは異なり、点滴により投与を行う生物学的製剤です。
レミケードは副作用が強い割に効果があまり見られず、約半年で中止となります。
生物学的製剤レミケードについて詳しくは↓
【レミケード】が【潰瘍性大腸炎】に効かなくなっていった私の例
レミケードの次の選択肢として、飲む生物学的製剤といわれるゼルヤンツを服用することになりました。
飲み始めてすぐに皮膚症状が劇的に改善しましたが、潰瘍性大腸炎の症状や、関節痛に対して効果が見られなかったことから約3カ月で服用中止となります。
飲む生物学的製剤ゼルヤンツについて詳しくは↓
現在は免疫抑制薬である、イムランを服用しています。
強直性脊椎炎に対してイムランは適応とされていませんが、潰瘍性大腸炎には適応とされているため使用することになりました。
イムランの副作用はかなり強いですが、関節痛は服用後一週間ほどで改善し、潰瘍性大腸炎の症状も約2カ月ほどで改善してきました。
イムランについて詳しくは↓
強直性脊椎炎の私が気をつけていること
強直性脊椎炎の私が気をつけている事を紹介します。
私が特に気をつけているのは、体を冷やさないことです。
私は体が冷えてしまうと、関節痛が強くなってしまいます。
朝のこわばりもひどいため、朝はシャワーや入浴をして体を温めて症状を和らげています。
現代人はシャワーだけの人が多いですが、夜は必ず入浴をするようにしています。
入浴剤を使用することにより、より体が温まるので、入浴剤はおすすめです。
入浴後はできるだけストレッチをするように心がけています。
痛みが強い日には無理して行いませんが、関節は動かさずにいると筋肉などが硬くなるため、より動かしにくくなっていくからです。
痛みを感じてしまうと反射が起こり、逆に関節は硬くなってしまうため、ストレッチは痛みがない範囲で、ゆっくりとできるだけ時間をかけて行っています。
また、体や関節を冷やさないように、寒い日にはタイツを着用するようにしています。
終わりに
12歳で潰瘍性大腸炎と診断され、強直性脊椎炎と診断されるまで約13年かかりました。
今思えばかなり前から強直性脊椎炎の症状はあったため、もっと早く整形外科を受診していればよかったと後悔しています。
実は私が、自分が強直性脊椎炎ではないかと疑ったのは、作業療法士を目指して大学に通っていた時でした。
理学療法士・作業療法士の国家試験では、自己免疫疾患について出題されやすい傾向にあります。
そのため国家試験前、強直性脊椎炎について勉強をしている時に疑ったのがきっかけでした。
内科の主治医の先生に整形外科へと紹介状を書いてもらい、受診や検査の結果、強直性脊椎炎と診断されました。
潰瘍性大腸炎の認知度は最近高まってきていますが…
腹痛だけの症状ではなく、様々な症状や合併症が起こることはあまり知られていません。
指定難病医療費受給者証は、関連性が認められる場合、他の診療科や症状・病気でも使用することができます。
指定難病医療費受給者証について詳しくは↓
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潰瘍性大腸炎などの自己免疫疾患や膠原病では、様々な症状や合併症が起こります。
何か気になる症状がある方は、他の診療科であったとしてもすぐに受診するようにしてください。
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